40代 / 会社員 / 趣味はサッカー
こんにちは。
東京で働く普通の30代サラリーマンです。
今日は少しだけ、僕にとって特別な体験を記録しておきたくて、こうして言葉にしています。
小さい頃から、両親が共働きだったこともあり、僕を一番長くそばで育ててくれたのは、祖母でした。
毎日一緒にご飯を食べて、一緒に遊んで、時には叱られて、時には励まされて。
だけど、大人になるにつれて忙しくなり、会える回数はどんどん減っていきました。
そして数年前、祖母は静かに天国へ旅立ちました。
葬儀の後、写真を見返しているときに、ふと思ったんです。
「……動画、撮ってなかったな。」
声も、仕草も、笑顔も、あれだけ身近にいたはずなのに、今となっては、記憶の中にしか存在しない。
その事実が、ものすごく胸に刺さって。
何年経っても、ずっと引きずっていました。
ある日、何気なくSNSを見ていたら、「AI技術で古い写真を動画に」という広告が目に飛び込んできました。
最初は正直、「どうせ不自然なんだろうな」と思っていました。
でも、もし少しでも祖母の笑顔を"今"の自分に見せてくれるなら——
そう思って、半信半疑で依頼してみることにしました。
数日後、届いたデータを開いた瞬間、僕は言葉を失いました。
そこには、懐かしい、でもどこか新しい祖母の姿がありました。
昔と同じ優しい目で、少し恥ずかしそうに、でもしっかりと、こちらに向かって微笑みながら手を振ってくれている祖母がいました。
一瞬で、涙が止まらなくなりました。
パソコンの前で、人目もはばからず、嗚咽を漏らしながら、何度も何度も再生していました。
「おばあちゃん……ごめんね。本当は、もっと、いっぱいいっぱい、思い出を残しておきたかったよ。」
もちろん、あの動画は「本物の祖母」ではないかもしれない。
動きも、表情も、完全に再現されたわけじゃない。
でも。
その一瞬に宿っていた「祖母らしさ」は、確かにそこにありました。
そして、僕の中の空白だった場所を、優しく、そっと埋めてくれたんです。
写真だけしか残せなかった後悔は、今も消えない。
だけど、AI技術のおかげで、その後悔を少しだけ癒すことができた。
「こんな時代に生まれて、本当に良かった。」
心の底から、初めてそう思いました。
これからも、大切な人との思い出を、ちゃんと形に残していこう。
そして、今度こそ、後悔しない未来を生きていこうと思います。